綺麗な庭

わたしの救いの箱庭です。

2020-01-01から1年間の記事一覧

トーラスとドーナツの違いもわからない僕は白痴でしょうか。 『在る』に、『無い』におまじないをかけた。 滞り無く進行する儀式。絡み合うトポロジー。 白鯨のような病床に銃口を向けた。 僕はただ、綺麗なものを見ていたいだけなのに。

清潔

古くからある模様 元素から借りた言葉 叡智と叙情 肉体が 脳髄が 流れる 鋭角を 捉えた スプーンのような朝は、もうやってこない。

骨のようなもの

骨のようなもの。 美しい曲線と直線。 有機的で機能的に見えるそれは、心の奥で静かに沈黙している。 骨、抜け殻、皮膚、器官、微生物。 形、部分、心象、象徴、道具。 僕の中に巣食うそれはなんだ。

花瓶と試験管

靴が脱げて冷えた足。 革命は失敗に終わった。 大通りに花が咲き、地下には雨が降り注ぐ。 装置は絶え間なく動いている。 赤黒いオイル。 なんて事のない、ただの作用だ。 なんで嘘をついたの? 箱の中に反響するまじない。 耐えきれずに自壊。 今日はもう寝…

スペクタクル

不恰好な車に乗って、 キックスクーターに乗って、 履き潰した靴を履いて、 ここから逃げ出す。 ここではないどこかへ。 スキップと音速のあいだの速さで駆ける。 虹色の景色が脳を吹き飛ばす。 鼻歌とスナック菓子。 無計画という重大で綿密な計画。 知らな…

おとぎばなし

白痴の少年はひとつだけ嘘をついた。 ねえ、観覧車に乗ってもいいでしょ? 母は僕の手を強く引っ張る。観覧車は僕と関係ない人を乗せ、僕と関係ないエネルギーで回転し続ける。滲む目に、観覧車はもうただの光の粒にしか映らなかった。 でも僕はこっそりカル…

Hestina

翅開く蝶の群像 醒めてく夜のヘルシンキ スプーンで掻き回せばいい 今はきっと触れられないから 目覚めは病院の蛍光灯のようだ リノリウムの床で 僕らずっと祈ってる たゆたうベッドの海で 僕らずっと祈ってる

フォグランプ2

君が君であること。僕が僕であること。 証明しようよ。 嘘ではないと、でたらめではないと言ってくれよ。 壊れてしまうから。 図書館を彷徨う僕は幽霊。 博物館を彷徨う僕は剥製。 ビル群を彷徨う僕はゾンビ。 霧の中で灯る光が嘘ではないこと、証明しようよ…

皮膚の下、つまり体の中身がうねる。 神経がぐにゃぐにゃ蠢いている。 痒くて気持ち悪い。 身体は硬い粘土のように愚鈍で、うまく動けない。そのくせ物質的な実感がない。(実感というものを認識する器官が機能していないのかもしれない) それならばと動かず…

孤高のけだもの

その動物には耳がない。 その動物には目がない。 その動物には心がない。 その動物には命がない。 きみはきっと幸せなんだろうな。

パレード、パレード! 列に流されて行く。わたしは小さい。 巨大な像。 アメリカ映画の高揚と非現実。

綺麗

幸せは美しい図形になって浮遊している。 僕も物理を間違えて浮遊する。 やっと生きることができる。 本当に綺麗なものだけを集めていられる。 飛ぶ鳥と風は混じり合って、水と草木は一斉に溶け出す。 僕は祝福の雪の中で微睡む。 名前も意味も置いていくか…

在るべき

はっきり言うならそう、乖離。 動物のわたしと人間のわたし。 互いが互いを憎んでいる。 (或いは、それらの化学変化が芸術なのだろうか。) 肉体と精神。 本能と理性。 欲求と知性。 つくづく嫌になるよ。 全部を均そう。0にするんだ。 目に見えないものは、…

7. フリーズ

凍結、崩壊、融解。 退屈な喜劇。 幾千の螺旋が森を蹂躙する。 ああ、吐きそうだ。 芸術も、人間も、滴る水も、嘘だらけ。 全部が全部フィクションさ。 __________ 巨悪は討ち滅ぼされた! 永遠の抱擁を交わす。 黄金、歓喜。 約束された永遠。 悪趣味な映画…

6. カンブリア

逆行せよ。 文明を忘却。ホモ・サピエンスの失脚。 悠久なる原風景を再生。 血のような海をたゆたう脳みそ。 あらゆる間違いを洗い流して、いっそ皆で駄目になってしまおう。 きっと僕ら、うまくやっていけると思うんだ。 愛すべき我らのカンブリア紀。

5. 帯化

その花はどこかおかしかった。 白昼に咲くグロテスク。 それでも君は息をしろというの? スローモーションで歪んでいく景色。水中みたいだ。 ああ、きっとこれは、一種の文字化けみたいなものだ。 一度どろどろに融けてしまえたら。 アスファルトに染みて、…

4. 硝子のプシュケー

息をしなくてはと、君は無責任に言う。 電気じかけの体、ショートした脳髄を搭載して、ぎこちなく呼吸をする。 重要な回路がどこかへいってしまった。 大切にしまっておいたおいたはずなんだ。 フルートの音に涙して、眼からガラスが溢れた。 水って硝子みた…

3. アルルカン

四角い箱が乱立している淀んだ水槽。 嘲るようなネオンライト。 無垢が歪んでいる。可笑しな様相だ。 真実なんて... 全てが舞台セットに過ぎない。本質は君が立つ地面、それだけ。 それでも皆踊るよ。異形の観客が手を叩く。 明日も明後日も踊る。観客は永久…

2. 胎内の鮫

Elysium 原風景、そこで繰り広げられる神話。 遺伝子食い破れ。血肉を貪れ。 強くなければならない。神はいないから。 忌まわしい本能だ。私は遺伝子を嫌悪する。 君の神話の脇役を、甘んじて受けよう。 海を赤色にするんだ。 君が生き抜いた世界と、私が生…

1. 流線

込み上げる ように 吹き抜ける ように たゆたう ながれる のびてゆく かぜ なみ こえ 凪ぐ わたしのすきな 流線 せいかいをなぞる 曲線 鯨が現れて、わたしは言う。 ユーリカ! 亜空へこだまする。 ユーリカ!ユーリカ!ユーリカ!... たったひとつ このせか…

「間違ったまま幸せになればいいのに。」 まちがったまましあわせになればいいのに。 マチガッタママシアワセニナレバイイノニ?

果物と共に、

民族学と民俗学。 架空の町のルーツを辿れ。 ほら、蝶々が飛んでいるよ。 シナプス蘇れ。 バーミリオンの屋根が陽光を受け、安寧を垂れ流す。人々はごきげんな服を着てドアを開く。 道には小綺麗な装飾品。広場では紙吹雪。誰もが春風のような笑顔をたたえて…

自戒

それはまるで11月のアレルギーのようで、6歳の時に見た高い空のようだった。 終わりを予感する。これ以上何も始まらないように。 戒めを彫り込む。それが自傷行為だということは火を見るより明らかだ。 新月に倣って0になることを約束する。君は君という直線…

どうして

私はこの世界に生まれて、素敵なものを集めていたいだけなのに。

月光美術館はジャングル

いざ夢のジャングルへ... 緊迫感を持て、君の手を引く数多の金属音。赤子の泣き声に似た響音。立ち向かえ。 闇に照らされた石の廊下を照らす魔法。気づくのだ。 スコールスコール。ノイズへ。唇へ。 警笛。警笛。亜空へ。土器へ。 夜空に似た始まり。君のそ…