綺麗な庭

わたしの救いの箱庭です。

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

6. カンブリア

逆行せよ。 文明を忘却。ホモ・サピエンスの失脚。 悠久なる原風景を再生。 血のような海をたゆたう脳みそ。 あらゆる間違いを洗い流して、いっそ皆で駄目になってしまおう。 きっと僕ら、うまくやっていけると思うんだ。 愛すべき我らのカンブリア紀。

5. 帯化

その花はどこかおかしかった。 白昼に咲くグロテスク。 それでも君は息をしろというの? スローモーションで歪んでいく景色。水中みたいだ。 ああ、きっとこれは、一種の文字化けみたいなものだ。 一度どろどろに融けてしまえたら。 アスファルトに染みて、…

4. 硝子のプシュケー

息をしなくてはと、君は無責任に言う。 電気じかけの体、ショートした脳髄を搭載して、ぎこちなく呼吸をする。 重要な回路がどこかへいってしまった。 大切にしまっておいたおいたはずなんだ。 フルートの音に涙して、眼からガラスが溢れた。 水って硝子みた…

3. アルルカン

四角い箱が乱立している淀んだ水槽。 嘲るようなネオンライト。 無垢が歪んでいる。可笑しな様相だ。 真実なんて... 全てが舞台セットに過ぎない。本質は君が立つ地面、それだけ。 それでも皆踊るよ。異形の観客が手を叩く。 明日も明後日も踊る。観客は永久…

2. 胎内の鮫

Elysium 原風景、そこで繰り広げられる神話。 遺伝子食い破れ。血肉を貪れ。 強くなければならない。神はいないから。 忌まわしい本能だ。私は遺伝子を嫌悪する。 君の神話の脇役を、甘んじて受けよう。 海を赤色にするんだ。 君が生き抜いた世界と、私が生…

1. 流線

込み上げる ように 吹き抜ける ように たゆたう ながれる のびてゆく かぜ なみ こえ 凪ぐ わたしのすきな 流線 せいかいをなぞる 曲線 鯨が現れて、わたしは言う。 ユーリカ! 亜空へこだまする。 ユーリカ!ユーリカ!ユーリカ!... たったひとつ このせか…