綺麗な庭

僕の救いの箱庭です。

交わる

輪郭が収束していく。

リビングルームの、天井と壁の間。

視線は一点を見つめている。

 淡白で、極めて三次元的な空間。

僕は何処へゆけば良いのだろうか。

狭い部屋をあてもなく彷徨う。

途方も無い砂漠。旅人と挨拶を交わす。

 

そうしている間に

僕の、誰かの、輪郭が収束していく。

笑い声

彼女の笑い声が、君の笑い声に似ていた。

小動物、マウス、白いラット。花束。

彼女の笑い声を聞くたびに君を思い出してしまったら、どうしてくれる?

君はどうして幸せになるの?

噛みちぎって、赤い肉を貪り喰う。骨まで砕いて、全部胃の中に。

 

生と死。

適合と不適合。

進歩と進軍。

 

精神的な部分で君と僕は繋がっていられるはずだし、それはただの呪いでしかない。

いつかもう一度、両の目を見て話そう。

寄生

また夢を見た。

君は拒絶しなかった。

世界には、僕ら2人しか存在しない。

いっそ2人で溶けてなくなりたかった。

いつこの亡霊は消えるのだろうか。耳元で幸せの台詞を囁く。

脳味噌に君が寄生しているようだ。

廃病院をいつまでも君と彷徨っていた。

あの夢は終わるべきではなかったが、始まるべきだった。

また君に会えるといいな。どうして。

 

やっぱり、起きたら雨が降っていた。

 

この上ない絶望。

存在の証明。

僕は今、いい夢を見ている。

君の小さな小さな肩を抱く。そこに残るのは一対の白い石像。

「凍結させてしまおう。」聖者は言った。

いつまでも開かない花火。秋になっても、冬になってもずっと。

幸せの種類。剥製にしてしまおう。

市民は1人につき、2人以上存在する。

陶器を僕が守る。

 

 

人々は箱の中

途方も無い丘。

幼い頃に感じた、予感と期待を孕み腹のように膨らんだ丘。

今日ばかりは____もっともここにいる時はきまってそうなのだが___ネガティヴな気持ちで綴らせてほしい。(自分への戒めとして。)

 

愛すべき花のような人間。ある意味では、それは花に例えるには生き生きし過ぎているくらい、綺麗な花。

花は他を選ばすに生きて行く。(或いは選べずに死んで行く。)強いて言うなら太陽、水。造花でもない限り。

そんなわけで僕は太陽になりたいと思った。ひ弱な君を暖かく抱擁するべく。

残念なことに僕は、雨にばかり好かれているようで、夢の景色まで決まって雨模様。

果たして君は花か、造花か。

僕の知的欲求はそこから始まる。

 

一生枯れない君を見続けるのも悪くない。涙も、抱擁も必要としない君を見続けていたい。

終わりがあり、かつ正当な始まりがある君を、全身全霊をかけて幸せにするのも悪くない。

 

でもこれは全部仮定の話。限りなく不可能に近い仮定の話。

君も、いつか誰かに摘まれて、幸せになってしまう。阻止する力は、僕にな無いな。

案の定雨に降られた夢の中で抱いた君の肩はとても、驚くほどに小さかった。

 

君が花で、太陽を求めるなら、僕は雨でいいし、自然とそう決まっている。雨という役割も怪しいものだけど。

 

 

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ルビー

追って来る豹。僕は蝶を追いかける。

今まで蝶を素手で捕まえられた試しがないけど、なんとかやってみよう。

追いかけても追われても僕は一応前進してると思う。

でもそれが本当は挟み撃ちだったら?

やめようこの話は。今日みたいな涼しい夏の夜には相応しくない。

 

綺麗な話をすると、空に打ち上げられる炭酸のようにぱちぱち弾ける火薬の星空を見た。偽りの美しかこの世には存在しない。紅い金魚もなにか言いたそうに口をぱくぱくさせている。

でもそれを見ても、僕の中にはなにも生まれなかった。非生産的な美。いかにも夏らしいわけで。言い換えるなら夏の魔法は僕には効かなかったわけで。もう魔法なんてないのかもね。

 

いろいろさらけ出しているようで嘘ばかりの夏。嘘ばかり。