2022-08-03 ゼノファウナ 大きな鯨は私を赦してくれない 街はどんどん水で満ち、一番高い塔を飲み込んだ 底の方から52Hzが 頭の奥を揺らす 独り 部屋で踠く 脳を掻き毟る 痙攣のダンス 動かなくなった私を柔らかく抱く白い腕 もうだいじょうぶだよ こわかったね くるしかったね つらかったね かなしかったね 愛しているよ 薄目を開けると腕など無く 深淵のような目だけが私を見ていた