2018-02-08 最後に海を見た日2 簡単なことを忘れていて、息が詰まる。 寒い寒い夜明けの中、秘密の話をしよう。 水平線。群青。乱反射。 鏡のようにふたり手を合わせ、白い息を吐く。確かに僕は存在して、海を見ている。 歩こうか?潜ろうか?泳ごうか?溺れてみようか? 君となら、なんとか辿り着けそうだ。だから大丈夫、なにも心配しないで。 君の綺麗な肌、透けて向こうまで見えてしまいそう。不確か。虚像。 しっかり君の手を握ることにした。 最後に海を見た日。