綺麗な庭

わたしの救いの箱庭です。

最後に海を見た日2

簡単なことを忘れていて、息が詰まる。

寒い寒い夜明けの中、秘密の話をしよう。

水平線。群青。乱反射。

鏡のようにふたり手を合わせ、白い息を吐く。確かに僕は存在して、海を見ている。

歩こうか?潜ろうか?泳ごうか?溺れてみようか?

君となら、なんとか辿り着けそうだ。だから大丈夫、なにも心配しないで。

君の綺麗な肌、透けて向こうまで見えてしまいそう。不確か。虚像。

しっかり君の手を握ることにした。

 

最後に海を見た日。