2018-03-18 黒い春 覚醒の時期、道端の小さな花も、風に凪ぐカーテンも、暖かな斜陽も、たちまち真っ黒に染まった。 黒い洋服を着て、残酷な春の日を闊歩する。ひらひらと黒い花びらが舞う。 そこにあるべき正しさと、失われたこころ。日向と日陰の境。白と黒。愛と無。 綱渡りのように、均衡を保ちつづける人間、僕、私、あなた。 もし間違ってしまっても、黒い春を歩く意味を忘れないで。 どうか、忘れないで。