望郷
訪れたことのない故郷へ帰る。
生きていない時間を慈しむ。
知らない記憶が蘇る。
信仰
僕は宗教のことはよくわからないんだけど、信仰の対象が目の前でみるみる朽ち果てていったら教徒はどうなるんだろう。
今まで自分の唯一の光で、希望で、柱で、救いだった対象が情けなく失われて行く。冷たい息。
教徒はどうするのだろう?
僕はどうしたらいいのだろう?
祈り
神様なんて信じている人は馬鹿だ。
馬鹿な人たちは、寂しいから一人で手を合わせる。きっと冷たい手をしてる。だから手を熱心に擦る。
じゃあ僕も、なんて思って、自分で馬鹿だなあと思いながら手を合わせる。そうしていないと、寂しいし、手が冷たい。するとなにもできやしない。
誰か、僕の手を温めてくれる人はいないでしょうか?馬鹿が思ったそれに応えて、神様は人間に火を与えた。なんだ、みんな寂しがってたんだ。
寂しいから、花を燃やす。これだから馬鹿は。