綺麗な庭

わたしの救いの箱庭です。

ジュブナイル

どこか遠くの極めてアジア的な空間で催される祭り事。幼い私はぽわぽわとした気分でした。何処からか潮の匂いが、なにかを焼く匂いが。

夜に煌々と照るライトの背後には影、亡霊。高揚した気分の人々はそれに気づかないふりをしています。亡霊が歌うと、私はとっても懐かしい気分になります。軽い熱に浮かされたように、ぼーっとしてしまうのです。

今この瞬間にこのお祭りがぱっと消えて無くなってもおかしくはないのです。そんな不安を人々は抱きながら亡霊の歌を聴いています。そんな時私は「きっともう元いた場所には帰れないな。」と、こう思うのです。それほどまでにこの歌は、異世界的で、呪術的で、郷愁的で、刹那的で、絶望的なのです。

ほら、きづくともうそこはさっきまでいたところではなくなっている。