綺麗な庭

僕の救いの箱庭です。

綺想

気づいたら僕の前の方に君がいて、必然的に、否が応でも視界に入る。

世間知らずで謙虚そうな後頭部を僕はじっと見てしまう。

芸術作品のように綺麗な髪の毛。無垢で、有機的な美。

量産的な美を記号的に纏う民衆の中で、君は間違いなく1番美しい。

つい溜め息が漏れる。憂いと憧れが醜く混在する。

思い出したかのようにモノクロの光景がフラッシュバックする。壊れた蛍光灯のようにちかちかと。

心臓の楔は、鎖は、呪いは、もう消えることはないんだと感じた。進むことも、止まることも、戻ることも、昇ることも、堕ちることも、なにもできやしないんだ、と。

それにしても本当に綺麗な髪だ。僕のと全然違う。