綺麗な庭

わたしの救いの箱庭です。

東京

逃げ場のない視界 微笑む商品 消費蒸気正気瘴気病気 ペットボトル建築の中で ペットボトルを身に纏い ペットボトルを丸呑みする 濁流に飲まれて流される 愛おしい自分 原風景は画質が悪いから みんな現実がおざなり どんどん汚れていく 不潔な街からの逃避の…

Xtal_

吹雪の奥で動く巨躯 霜が降りる睫毛 深海のような沈黙が轟く 私は清潔で無垢 ホワイトアウト シバリングノイズ 何を思い歩くの? 誰を想い壊すの? 白樺は朽ちた骨のように 虚を仰ぐ 嗚咽が溢れる 涙が空へ遡る それは救済か崩壊 それは構造物か生物 それは…

I was in a dazzling daydream. Shining, melting ice cream.Nothing had been lost yet.At the airport, in the bathtub. In a soft bed, let's pray for just the two of usLet's hold each other in the deep sea. Fool fall that. Maybe it was meant to…

眩しい白昼夢の中にいた まだ何も失われていなかった 空港で 浴槽で 柔らかいベッドで、2人だけのために祈ろう 深海で抱き合おう 多分カンブリア紀からこうなると決まっていた もうこれ以上なにもいらない 水銀のドレスを纏うあなた 印を刻む 呪いを刻む 「…

真っ黒な厭世の中の一筋のカタルシス 限りなく細いその流線は、美しい形となり、刃の断面となる

frigidarium

薄氷を隔てて、手を合わせる決して解けない氷やっとあなたを見つけたのに切先は届かない 肋骨の檻で痙攣の舞踏水銀のドレスを纏うあなた 遠雷がひび割れを刻み触れようとする手は透き通ってしまう白飛びして透き通ってしまう

粉々になった硝子が落ちている 幾つもの眼が私を見ている 肌がじっとりと湿っている 呼吸はとても冷たく感じる 部屋の隅から 真っ黒い私が這い寄る 真っ白な錠剤をたくさん飲み込むあなた 私の手など遠く及ばない所に あなたの肌は在る 私の切先など遠く及ば…

波紋

醜い獣が1匹 水面の自分を殺そうと 飛びかかっては 溺れて死んだ

臓器も骨も ぐずぐずに溶けてしまう 卑小な心臓は、それでも醜く動き続ける くだらない

どこかで笑いあった記憶が白飛びして 青白い雪原になった 醜い私が痙攣の舞踏 あなたの皮膚に触れた 引き裂いてやろうと思った でも、私は強く抱きしめることしかできなかった どこにも行かないように そのまま氷漬けにしてしまえ_____ ...._______________ …

殺して

巨大な空白を見上げる 真っ白な部屋の壁に体を打ち付ける 虚空の惑星に吐瀉物が流れ込む 息が吸えない 喉を掻き毟る はやくわたしを

肌理を引き裂いて 答えを見せて もう終わりにさせて

低気圧 慈愛 正しいかたち 二人は凍り 久遠に擬態 繋ぐ手は祈り 解けないように 青白い風は 寒いからね 何を見て 何を捨てる 価値砕け 肌が溶ける 神の庭 吐く息は透明 また過ちが やがて連なった カンブリア 半透明の幽霊 ふと寄せる肩 やがて繋がった 最初…

水犀

砕氷を擂る かけらに砕け 煌めく 水犀が涙を零し 起き上がる コンクリートの近代建築を 凍てれる音楽を 白銀の角で崩して 21世紀に神話の雨を降らせて なにも救えないわたしを踏み潰して

hvítur skógur

ある寒い冬、アナスタシアは10歳になりました。 でも、朝目を覚ますと誰もいません。 静まり返った家のドアを一つ一つ開けて、呼びかけます。 「みんなどこへ行ったの?」 暖炉は、長い間使われていないかのように冷え切っており、燭台はすっかりくすんでい…

原風景

なだらかな勾配の、どこまでも続くような丘 青々とざわめく草 柔らかな陽光と暖かい風 君の髪の毛一本一本が煌めく 愛の話をする 君のヴァイオリンのような声 肌と肌が擦れる 無垢な獣になったわたしたちは 神話のようなセックスをした

赦し

回帰する あなたの赦しで 呪いは融解する 肌寒い心で、ずっとうずくまっていた石胎児 きみの祈りはきっと届く 愛しているよ

Paradisia

還ってきた! 神の庭 全ては赦された 嬉しくて 気持ちよくて 小高い丘で嘔吐した 涼しい風が涙を乾かす 朝日かも夕日かもわからないが 斜陽がか弱い皮膚を破り 毛並みを照らす 厳かで心地よい 無限の愛が わたしのなかの方から 溢れ出して 壊れてしまう

溶融

抱きしめてください できればそのまま殺してください あなたの白くて柔らかい腕が にじみ とろけ わたしと溶け合う 脳波はシンクロし 同じ視界を見る もう何億年もそうであったみたいで わたしたちは嬉しくて微笑む もう独りのわたしはいない あなたもいない…

hallucinature

流水がやがてノイズになり、耳元で上昇する 絶え間なくぶつかるエネルギーのうなり 私は草を編む 遠い昔から決められていたかのように 今生の使命であるかのように 世界と繋がる私だけの祈り

ゼノファウナ

大きな鯨は私を赦してくれない 街はどんどん水で満ち、一番高い塔を飲み込んだ 底の方から52Hzが 頭の奥を揺らす 独り 部屋で踠く 脳を掻き毟る 痙攣のダンス 動かなくなった私を柔らかく抱く白い腕 もうだいじょうぶだよ こわかったね くるしかったね つら…

新しい化石

全てを透明の中に閉じ込めよう。 それを好きな時に眺めよう。 様々な角度で。 朽ちず、褪せず、嘘をつかない。

frigidarium

青白い後光 私の輪郭を在らしめる 水面が私の空洞を浮かび上がらせる。 雷を奏でる 霧を切り裂き、踊る 皮膚が水を弾く 寒くて自分の肩を抱く。 張り裂けそうな皮膚を押さえる。 綻びそうな意識を締める。 冷浴室

freeze

名前のない獣が吐く白い息。 清潔になりたいと願った。 水面に手を伸ばす。君は嘘をつかない。 巻き戻して欲しい。 誰もいなくなった。静かに、こっそり、しかし確実に。 「僕ももう帰らなくちゃ。」 どこに? 存在しないはずの過去に想いを馳せる。 コント…

l0veis

(運命みたいなものは、ある程度存在しており、それは選択の積み重ね、或いは潜在意識下でのセルフイメージにより発現する。 それは成るべくして成った生物の姿形と相同のものだと言っていい。 つまり、我々は在るべくしてここに在る。 私は在ることを呪うが…

私が美しいと思うかたち

私が美しいと思うかたちは、清々しい移動だ。 喉奥へと流れる水、渓谷に落ちていく肉体、君の肌に触れようとする手の軌道。

完璧な貝殻 胎児と内臓の相違点

例えば性行為。 2人の体が繋がったように感じる。 でも決してそんなようなことはなくて、私たちは皮膚という壁で隔てられている。 独善的で愛すべき輪郭。 夢の中で夢を見る。 覚めても夢、覚めても夢。 今度の目覚めも夢だといいな。死んでいる時が一番幸せ…

水中 #2

ぼやけた視界 きらり 鱗の光 慈愛 からだくねり うねり 視界の上に ゆるり 見て いくつもの揺れる柱 誰も思いつかないかたち 透明な許し 嬉しくて 泡が漏れて しまう

水中 #1

裸で泳ぐ 髪が水草のような 模様を描く 息がしたい 息をしたくない もうこれ以上 悲しくなりたくない 水底の砂の一粒一粒を慈しみ 涙で水位が少し 少しだけ上昇する 屈折した光が 浮いた肋骨に 模様を描く 水の中がおそろしいことが悲しい 然るべき目であな…